12月といえば様々なイベントを思い出しますが、その中でも社会人の方々が忘れてはいけないものがあります。それが「お歳暮」ですよね。お歳暮は時候の挨拶に加えて、あまり会っていない方への関係性の維持という意味合いもあるため、非常に重要なものになります。
さて、長く会社に勤めていると、部下からお歳暮を貰うというシチュエーションが出てきますよね。部下からお歳暮を貰うことは、もちろん嬉しいことです。しかし、ある疑問も出てきます。
それが、部下からのお歳暮に対して、お返しはするべきなのか?という疑問。お歳暮のルールはたくさんありますが、「お返し」の必要性に関しては、様々な解釈があります。
今回は、部下からのお歳暮のお返しに加え、お礼状などの書き方を解説していきます。では、はじめていきましょう。
部下からのお歳暮にお返しは必要?

さっそく本題に入っていきましょう。部下からのお歳暮にお返しは必要となるのでしょうか?こちらは、結論からお話すると、部下からのお歳暮に、お返しの品は必要ありません。
中には、「返したほうが良い」と言う方もいるかもしれませんが、お歳暮のルール的にはお返しは不要になってきます。その理由として、お歳暮の意味合いからの解釈があります。お歳暮の意味合いは「一年、または日ごろの感謝を物に託して贈る習慣」とされています。感謝の気持ちですので、お返しの「品」は必要ないのです。
しかし、お歳暮が部下から届いた時、贈るものがあります。それが冒頭でも触れた「お礼状」です。お歳暮を頂いたことへの感謝の手紙をすぐに送らなければならないのです。では、ここからは部下からお歳暮が届いた場合の、お礼状の書き方等を解説していきましょう。
部下からのお歳暮のお返しにお礼状を書く

お歳暮が届いた時、マナーとしてお礼状を送る必要があります。会社の部下であれば、電話やメールでも良いと思う方も多いでしょうが、相手は丁寧にお歳暮を送ってくれているわけですので、きちんとマナーを守ったほうが良いと思われます。
では、部下からのお歳暮のお返しに、お礼状を書く時の書き方を解説していきましょう。基本的に、お礼状は5つの文章で構成されていきます。
お礼状の書き方-構成編-
- 頭語
- 前文
- 主文
- 末文
- 後付
この5つの順番でお礼状を書いていくようにしましょう。では、お歳暮のお礼状の例文を見ていきます。
部下からのお歳暮のお礼状-文例と解説-

先程の5つの構成を元に、お礼状を作っていきましょう。
お礼状の文例
①拝啓
②寒風が身にしみる季節となりました。ご家族のみなさま、元気でお過ごしのこと何よりとお喜び申し上げます。
③本日、お心づくしのお歳暮が届きました。誠にありがとうございました。
私も妻もハムが大好きで、ちょうど息子も帰省していたので、さっそく夕飯のおかずとして食べたいと思います。
④これからが冬本番。みなさま、寒さで体調を崩されないようにお気をつけください。まずは取り急ぎ、お礼まで。
敬具
⑤◯◯年◯月◯日 自分の名前
相手の名前
それぞれ、先程の①〜⑤の構成の順に書かれています。では、簡単に解説を加えていきましょう。
①頭語
頭語は日常会話における「こんにちは」のような挨拶の言葉になります。頭語のペアとなる「結語」も手紙の最後に書くようにしましょう。今回は「拝啓」と「敬具」を使用しましたが、かしこまった手紙でない限りこのセットでOKです。
以下、いくつか代表的な頭語と結語のセットをしょうかいしておきます。
頭語 | 結語 |
拝啓 | 敬具 |
謹啓 | 謹言 |
前略 | 草々 |
かしこまった手紙(取引先へのお礼の手紙など)に関しては、謹啓と謹言を使っていきます。
②前文
前文では、季節のあいさつや近況報告を書いていく部分になります。今回の例文の場合、「寒風が身に染みる…」という言葉で、冬の到来を表現しています。
お歳暮は12月になるため、「師走」や「寒さ」といった言葉を使っていくようにしましょう。
お礼状の手紙では….
細かいマナーになりますが、一点。お礼状の手紙では「家族のみなさまはお元気ですか?」というように、相手の健康を当言葉は使わないようにしましょう。
お歳暮が届いた時点で、「こちらは家族共々健康でやっております」という意味合いがあるため、お歳暮が届く=健康という認識になります。そのため、「お元気そうで何よりです」という言葉で表現していきましょう。
③主文
手紙の本題となる部分が主文となります。この部分では、お礼状の手紙の内容である「感謝の言葉」や「お歳暮の品の感想」などを書いていくようにしましょう。
また、「家族も喜んでいた」というように、周囲の感想も書いていけると良いですね。
④末文
末文では、相手の健康を気遣うような文章を書いていきます。この部分は、季節の話などを絡めていくと書きやすくなります。
また、「まずは取り急ぎ、お礼まで」というように、本来ならば会ってお礼を言うべきところを、先に手紙でお伝えしますという断りもいれていきましょう。最後の結語に関しても、忘れないようにしてください。
以上、部下からお歳暮が届いた場合の、お礼状の書き方でした。
部下からのお歳暮Q&A

最後に、部下からのお歳暮が届いた場合の、細かいマナーや疑問を解決していきましょう。今回紹介するQ&Aは以下のとおりです。
部下からのお歳暮Q&A一覧
- お礼状はいつまでに出す?
- お返しの品を用意する場合の金額は?
- お礼状は代筆しても良い?
今回、紹介していくのは以上の3つになります。
Q.お礼状はいつまでに出す?
A.お礼状は、お歳暮が届いてから当日に書くのが礼儀です。遅くとも3日以内には出すようにします。もし、1週間を過ぎてしまった場合は、お礼状にお詫びの言葉を入れておきましょう。
Q.お歳暮のお返しの品の金額相場
A.部下からのお歳暮が届き、お返しの品を用意するならば「届いたお歳暮の半額」程度の品物を用意しましょう。
一昔前は、「目上に薄く、目下に厚く」という慣習が日本にはあります。例えば、目上にお返しをするならば「半額返し」で、反対に目下(部下)にお返しをするならば、「全額返し」という形をとっていました。
しかし、最近は「半額返し」が一般的となっており、お歳暮も例外ではなく半額返しが基本です。
Q.お礼状は代筆しても良い?
A.お歳暮をもらった方が書くほうが遥かに印象は良いでしょうが、代筆もマナー違反には当たりません。
もし、代筆した場合は、「失礼とは存じましたが、主人の代わりにごあいさつ申し上げました」などの一文を入れるようにしてください。
まとめ
今回は、会社の部下からお歳暮が届いた場合に、お返しは必要なのか?という疑問やお礼状の書き方などを解説していきました。
こういったマナーをきちんとしておくことで、普段の印象も変わってきます。お歳暮などの一般的な慣習のマナーはしっかりと守っていきたいところですね。